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2027年度入試から面接が原則必須に|総合型選抜・学校推薦型選抜の変更点と高校の指導ポイント

更新日:2026/10/30

年内入試のシーズンを迎え、面接指導に追われている先生方も多いのではないでしょうか。2027年度入試からは、総合型選抜・学校推薦型選抜で面接による評価を必ず行うことが、実施要項に盛り込まれました。

ただし、「面接が必須になる」という見出しだけでは、対象や形式、例外の条件までは伝わりません。2027年度入試からすべての大学の両選抜で一律に面接が行われるわけではなく、例外と経過措置があります。この記事では、文部科学省の実施要項と通知で確認できる範囲を整理したうえで、高校での指導にどうつなげるかを考えます。

1. 2027年度入試で総合型選抜・学校推薦型選抜はどう変わる?

文部科学省は2026年5月27日付けで「令和9年度大学入学者選抜実施要項」を通知しました。実施要項の第3の1では、総合型選抜・学校推薦型選抜について、志望する学問分野に対する意欲や適性等に係る面接による評価を必ず行うこととされています。

通知では、変更の背景として、令和8年度入試で一部の大学の総合型選抜・学校推薦型選抜に、個別テストの配点が著しく高いなど、学力検査の成績に大きく偏って合否が判定される事例が見られたことが挙げられています。両選抜の趣旨に立ち返ることが、今回の変更の狙いです。

面接の対象・形式は?オンラインや集団討論も対象

実施要項では、面接にディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含み、オンラインでの実施も含むとされています。いわゆる「個人面接」に限られません。

文部科学省のQ&Aでは、次の点も示されています。

  • 教科・科目の個別テストを行うかどうか、またその実施時期にかかわらず、総合型選抜・学校推薦型選抜に位置づける選抜は面接による評価の対象です。
  • 評価者が直接評価し、受験者が質問に即時にやり取りしながら答える形式が前提で、AI面接やペーパーインタビューでは代替できません。
  • 公平性の観点から、評価基準の設定や複数の評価者による評価などの体制整備が求められています。

なお、「対面での実施が必須」という趣旨ではありません。オンライン実施も認められており、その場合は本人確認や不正防止の措置を講じることになっています。

2. 面接の例外は?2029年度入試までの経過措置の条件

実施要項には、次の例外と経過措置があり、どちらも条件が付いています。

  • 非公募型の学校推薦型選抜の例外(第3の1(3)①ただし書):高校との緊密な連携により、意欲や適性等を含め丁寧なマッチングが図られていると考えられる非公募型の学校推薦型選抜で、合格した際には入学することを志願者が確約して受験するものに限り、大学の実情に応じて面接の要否を判断できます。「非公募型」というだけで例外になるわけではありません。要項に具体的な名称の例示はなく、報道では指定校制が例に挙げられています。
  • 既存の選抜区分に対する経過措置(第14〔備考〕):令和8年度に既に実施されていた選抜区分のうち、令和9年度(2027年度)入試から面接を導入することが難しいものについては、遅くとも令和11年度(2029年度)入試までに面接を導入することとされています。新設の選抜区分には、この経過措置の対象とは書かれていません。

つまり、2027年度入試からすべての総合型選抜・学校推薦型選抜で一律に面接が実施されるわけではありません。生徒が志望する大学・学部の選抜区分ごとに、最新の募集要項で面接の有無や形式を確認することが重要です。

すでに、要項の趣旨を踏まえて募集要項を変更し、新たに面接を実施するとした大学もあります(例:山形大学が2026年8月に公表した学校推薦型選抜Ⅱの変更)。

3. 高校で取り組みたい4つの面接指導

ここからは、実施要項に書かれた内容ではなく、指導の観点からの提案です。

探究の経験を「語る」機会にする

面接が「志望する学問分野に対する意欲や適性」を問うものである以上、探究学習で取り組んだ内容は大きな材料になります。大切なのは成果の大きさではなく、次のような点を自分の言葉で説明できることです。

  • なぜそのテーマを選んだのか(問いの出発点)
  • 調べる中で考えが変わったところ
  • 志望する学問分野につながる関心

発表の機会を増やし、その場で質問を受ける練習を取り入れると、即時のやり取りに慣れていきます。

面接指導では、志望理由や活動実績を覚えて話せるようにするだけでなく、想定外の質問に自分の経験や考えを根拠に答える力を育てることが大切です。例えば、探究の発表後に「なぜその方法を選んだのか」「別の見方はできないか」と問いかけると、学びの過程を振り返り、考えを深める機会になります。

形式の違いに慣れておく

面接にはプレゼンテーションや口頭試問、集団討論などが含まれうるため、個人面接の想定問答だけでは準備が偏ります。志望校がどの形式を採るかを募集要項で確認し、形式に応じた練習を組み立てましょう。オンライン実施の大学を受ける生徒には、接続環境や画面越しの話し方の確認も有効です。

書類の内容と矛盾がないか確認する

志望理由書や調査書、活動報告書に書いた内容と、面接での説明に矛盾がないかを点検します。書類と発言を機械的に一致させる必要はありません。書類に書いたことについて、具体的なエピソードを交えて話せることや、面接の中で新たな気づきを加えられることは、むしろ望ましい姿です。

早い学年から備える

面接は直前の練習だけで身につくものではありません。高1・高2のうちから、授業や探究の場で「自分の考えを理由とともに話す」機会を積み重ねることが、結果的に面接への備えになります。

よくある質問

Q. 面接がない総合型選抜・学校推薦型選抜は、もうなくなるのですか。 A. 2027年度入試からは面接による評価が原則必須ですが、条件を満たす非公募型の学校推薦型選抜には大学判断で要否を決められる例外があり、令和8年度に既に実施されていた選抜区分には2029年度入試までの経過措置もあります。志望校の募集要項での確認が必要です。

Q. オンライン面接でも要項の条件を満たしますか。 A. 文部科学省の要項・Q&Aでは、オンラインによる実施を含むとされています。ただし、AI面接やペーパーインタビューは代替になりません。

Q. 面接の配点はどの程度になりますか。 A. 面接の配点は大学ごとに異なるため、募集要項で確認してください。なお、教科・科目の個別テストを行う場合は、その成績が評価・判定の大部分を占めることがないよう、他の評価方法とバランスを取ることが文部科学省のQ&Aで求められています。

まとめ

  • 2027年度入試から、総合型選抜・学校推薦型選抜では面接による評価が原則必須です。
  • 面接にはディベート・集団討論・プレゼンテーション・口頭試問等が含まれ、オンラインも可です。AI面接等では代替できません。
  • 例外(確約を前提とする非公募型の学校推薦型選抜)と経過措置(既存の選抜区分で導入が難しい場合)には条件があります。志望校ごとの募集要項の確認が欠かせません。
  • 高校では、探究の経験を語る機会と形式別の練習を、早い学年から重ねていくことが備えになります。
     

執筆者:Strobolights