「生徒同士の関わりが少ない」「クラスの団結力を高めるための方法を探している」こんな悩みを抱えている先生は多いのではないでしょうか。
実際に人間関係の悩みを抱えている生徒は多く、先生方の中には「クラスの人間関係をもっと良くするためにはどうしたら良いのだろう」と悩んでいる方も少なくありません。
クラスや集団の人間関係を改善するための方法の1つが、チームワークを向上させること。チームワークが高まることで、その集団に属するメンバーが安心して交流できるようになり、日々の学校生活や行事の際に個々の力を発揮できるようになります。
そして探究学習をチームで取り組ませる際も、最初にチームビルディングを導入すると生徒同士の意思疎通がスムーズに行くことが多いようです。
今回はチームワークを向上させるために会社で使われることが多い「チームビルディングの事例」の中から、学生でも楽しめる方法を3つ紹介していきます。室内で簡単にでき、学校でも実践しやすい活動を選びました。
探究学習におけるチームビルディングの効果とは?
チームビルディングには、具体的にどのような効果があるか知りたい!」という方に向けて、まずはチームビルディングの効果を紹介します。チームビルディングの効果としては、
1:学生同士のコミュニケーションが活性化する
2:意見が言いやすい雰囲気が作れる
3:集団の心理的安定
4:チームで考えることのメリットを理解できる
このようなものがあり、結果的に集団のチームワークが高まります。チームビルディングの活動では、チームの仲間同士が協力をして何かを成し遂げるため、積極的なコミュニケーションは不可欠。
活動の中で意見を交換しているうちに、日頃から自分の意見をクラスメイトに伝えやすくなったり、「いつでも意見を聞いてもらえる」という安心感を持てたりします。
また、活動を通して「一人で考えるよりも、チームで考えた方が良い結果が出る」と実感できることも多いです。チームビルディングの活動は会社等で行われることが多いですが、クラスや集団での人間関係の形成やチームワーク向上にも役立ちます。
探究学習で使えるチームビルディング①:ペーパータワー
では、チームビルディングの方法を具体的に紹介していきます。1つ目に紹介するのは、「ペーパータワー」です。
ペーパータワーとは、4〜6人ほどのグループになり、紙20枚だけを使って「どれだけ高いタワーを作れるか」を競うゲームです。紙を折ったり、切ったりしながら、工夫して紙で塔を作ります。ペーパータワーの流れの例は次の通りです。
①チームで作戦会議の時間を5分ほどとる
②設定時間内でタワーを作成
③タワーの長さを計測する
④振り返りの時間を設定
タワーの作成時間は、2分などの短い場合や、1時間ほど使う場合もあるので、目的や時間がどのくらい取れるか等で設定してください。
・メンバー同士で意見を出し合えたか
・役割分担がしっかりできていたか
・メンバーのアイディアを共有できていたか
などの振り返りをした後に2回戦目を行うと、さらにチームが団結し、チームビルディングの効果が高まります。
紙の使い方や役割分担など、戦略を考えることやコミュニケーションが必須のゲームなので、新しく作ったグループのチームワークを高めたい時にも最適ですね。
探究学習で使えるチームビルディング②:バースデーライン
に紹介するチームビルディングの方法は、「バースデーライン」です。バースデーラインは短時間で実施でき、準備も簡単なので、あまり時間がない時でも行いやすい活動です。
ルールはシンプルで、
・制限時間内に誕生日の早い順番から1列に並ぶ(1月1日生まれが先頭で、12月31日生まれが最後尾)
・会話や筆談をしてはいけない
・身振り手振りだけで誕生日を伝え合う
この3つだけ。バースデーラインの流れは、
①参加者全員に誕生日の順番に並んでもらう
②答え合わせ(先頭から誕生日を発表)
このようにとても簡単です。時間さえしっかりと確保すれば、クリアが難しくない活動なので、時間設定を短くしたり、チームで競争させたりすると盛り上がります。グループメンバーの誕生日を知っていたら簡単にクリアできてしまうので、まだお互いについてあまり知らない時期に実施するのがベストな活動ですね。
探究学習で使えるチームビルディング③:漢字自己紹介
次に紹介する「漢字自己紹介」も短時間で、簡単にできるチームビルディングの取り組みです。名前通り、漢字で自己紹介をするゲームで、5人以上のグループで行います。
紙に「自分を表す漢字1文字」を書き、他のメンバーは「なぜその漢字を選んだのか」を考えます。全てのメンバーの理由が聞けたら、どうしてその漢字を選んだのかの答え合わせをします。
メンバーの意外な一面がわかったり、自分がどう見られているのかがわかったりする面白い活動です。
気の知れた仲間同士の場合は、「自己紹介」ではなく「今年の漢字」を選んで理由を考えたり、漢字ではなく「あなたを動物で表すとしたら?」などとお題を変えたりすることで、柔軟に実施可能!
一般的な自己紹介をするより相手のことを考え、自分の意見を伝える時間が確保されている活動なので、意見を交流し合う活動の前におすすめです。
チームビルディングで充実した探究学習を!
今回紹介した三つの方法は、初対面の緊張感をほぐすために使えたり、お互いを良く知っている生徒同士でも楽しめるので、目的に合わせて実践するのがおすすめです。
新しいクラスやグループの中で、なかなか自分の意見を伝えたり、相手を尊重したりするのが難しい子がいることも多いです。チームビルディングの実践を学校生活に取り入れることで、チームに所属する全員が安心して活動できる集団を目指したいですね。
今回紹介した実践が、より良いクラスやグループ作りのための参考に少しでもなれば嬉しいです。