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「SDGs」どう教える?高校での授業案

更新日:2023/05/08

国連サミットで掲げられたSDGs(持続的な開発目標)を達成するため、世界中でさまざまな取り組みが行われています。日本でもさまざまな企業や自治体において広がっており、教育の場においても徐々に浸透しつつあります。

SDGsの授業を行うためには、まずは教師自身がSDGsについて学び、適切な授業計画を立てるのが望ましいです。とはいえ、学校の業務が忙しく、なかなかSDGsについて学習する機会が持てないという先生もいらっしゃるでしょう。

今回は、SDGsを指導する際の準備や、実際に行われた授業についてご紹介します。学校の状況に合わせて取り入れてみてください。

教師がSDGsへの理解を深める

まずはSDGsについての知識をつけるのが先決です。SDGsの情報を扱うサイトは非常に多いですが、特に以下の2サイトには網羅的な情報が詰まっています。

 

外務省のホームページ
ユニセフのホームページ

 

外務省のホームページ「JAPAN SDGs Action Platform」では、SDGsの概要や日本の取り組みに関する資料が用意されています。企業・自治体・教育機関などの取組事例もまとめられているので、学校の実情にマッチした事例を探してみましょう。SDGs関連動画も豊富で、授業で活用できる動画も視聴できます。

 


【外務省×SDGs】「行動の10年」できることから始めよう! – YouTube

 

ユニセフのホームページ「SDGs CLUB」は、分かりやすい文章と画像でSDGsを学べます。SDGs17の目標について、それぞれの課題・ターゲット・世界の問題が詳しく書かれており、教師の学習だけでなく調べ学習にも十分活用可能です。また、SDGsの目標に向かって、実際に行動を起こしている世界の子どもの動画を見られるため、授業で幅広く利用できるでしょう。

 

SDGs17の目標 | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会) (unicef.or.jp)
世界を変えるヒント | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会) (unicef.or.jp)

SDGsを学べる教材を準備する

ユニセフのホームページ「SDGs CLUB」には、SDGs副教材ポータルサイトが用意されています。印刷してそのまま授業で使える副教材があり、教師用指導参考資料やワークシートも利用可能です。ワークシートはWord版があり、授業に合わせて簡単に修正できます。

 

SDGs副教材「私たちがつくる持続可能な世界~SDGsをナビにして~」ポータルサイト|子どもと先生の広場|日本ユニセフ協会 (unicef.or.jp)

 

NAGANO SDGs PROJECTの教材

NAGANO SDGs PROJECTは、長野県が発信しているサイトです。教員向けのページが用意されており、特に教師向けのアクティビティ集が利用しやすいです。アクティビティの進め方や詳しい解説、ワークシートもついているので、一度目を通しておくとSDGs授業のイメージがしやすくなるでしょう。

教材をダウンロードして使おう! | NAGANO SDGs PROJECT

身の回りの取り組みから教材を見つける

学校の実態に合わせて、身の回りから教材となる活動を探すのも1つの手です。身近で行われている活動は生徒の興味関心を引きつけやすく、意識を高めるのに役立ちます。一例として、地域で行われているSDGsの取り組みを調査して発表する活動や、自分たちにできることは何かを具体的にまとめる活動などが挙げられます。

また、SDGsへの意識を高める際は、社会人講話を取り入れるのも有効です。実際にSDGsに取り組んでいる人の話は生徒の心にも残りやすいでしょう。保護者や卒業生、外部講師に依頼して、生の声を聞いてみるのも選択肢に入ります。

外部コンテストに参加する

現在では高校生を対象とした探究学習やPBLを扱ったコンテストも珍しくなくなってきました。こうしたコンテストは教材を利用できたり学校内だけでは実現できない校外との交流もできることから参加する高校も増えています。

そうしたコンテストにも、「SDGs」や「サステナブル」を扱ったコンテストが存在します。コンテストに学校として応募することで教員が企画しなければならない部分を削減することができます。

学校教育でSDGsを導入するメリット

では最後に、学校教育の中でSDGsを導入するメリットについてまとめてみましょう。

グローバルな視点を養う

生徒たちがSDGsに触れることで、地球規模の課題を知ることができます。また、これらの課題に対して、自分たちがどのように貢献することができるかを考えることもできます。

さらに、SDGsを学ぶことで学生たちはグローバルな視点を持つことができます。世界各国の様々な問題に対して、自分たちが何をすべきかを考えるきっかけになるでしょう。いうまでもなくこれからの社会はグローバル化していきます。SDGsについての知識と、世界規模で抱える課題に対して取り組むことは、将来のグローバリゼーションの時代に必要とされる基礎教養といえるでしょう。

自分の進路を考えるきっかけになる

次に考えられるのが進度指導のきっかけになる、という点です。SDGsは2030年までに実現することを目的としています。SDGsを扱うということはこの地球社会の未来に対して洞察するということであり、それは生徒自身の今後の進路選択、キャリアにも関わってきます。SDGsを学ぶこと自体が進路を考える機会になるわけではありませんが、自分の今後の生き方を考えるきっかけになることは大きいでしょう。

ポータブルスキルに触れる機会になる

ポータブルスキルとはロジカルシンキングやチームワーク、リーダーシップ、プレゼンテーション能力など、どのような仕事に就くとしてもある程度必要になってくる基本的なスキルです。特定の組織・職業に限定されず、持ち運びできる能力であることから「ポータブルスキル」と呼ばれています。通常の学校生活の中では体験することができないこれらのスキルをSDGsをテーマとした授業では扱うことができます。

まとめ

SDGsの取り組みは広がりを見せており、教育現場で活用しやすいホームページや教材も増えつつあります。今回ご紹介したホームページ以外にも、新聞やYouTube、社会人講師を活用するといった方法も可能です。学校や地域の実態に合わせながら、生徒がSDGsについて深く考えるきっかけを作っていきましょう。

     

執筆者:Strobolights