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社会人講話は誰に依頼する?それぞれのメリットとデメリット

更新日:2023/12/23

子どものキャリア発達を促す方法の1つに、社会人講話が挙げられます。社会人講話はキャリア教育の中でも比較的取り入れやすいですが、誰に依頼するかは悩ましいですよね。

今回は、社会人講話を保護者・卒業生・外部講師に依頼する場合の、それぞれのメリット、デメリットについて紹介します。

 そもそも、社会人講話とは文部科学省に以下のように定義されています。

キャリアを形成していく方法等について専門的な知識や情報を持っている社会人・職業人をキャリア・アドバイザーとして学校に招くことは,企業が求める職業人としての資質や能力等を知る貴重な機会である。

文部科学省 キャリア教育を推進するための条件整備

社会人講話を保護者に依頼する場合

メリット

児童生徒の保護者に社会人講話を依頼するメリットは、以下の3点です。

親近感が湧きやすい
在校生の保護者なので、児童生徒にとって身近な存在であり、親近感が湧きやすいです。同じ地域に住んでおり、近所の店やイベント名を出せるため、児童生徒がイメージをつかみやすい講話になる可能性があります。

 

安価で依頼できる
保護者に依頼すれば、費用を抑えられます。もちろん、保護者に依頼する場合も謝礼は払いますが、外部講師に依頼するよりも安く済むのは確実です。校区内に住んでいるため、交通費もほとんど掛かりません。

 

他の行事でもかかわりを持ちやすい
講話をきっかけに、保護者との交流の輪を広げられる可能性があります。依頼した保護者を中心に、他の保護者も学校に関わろうとする雰囲気が生まれるかもしれません。

デメリット

一方、保護者に社会人講話を依頼するデメリットは、以下の3点です。

話し上手とは限らない
社会人としての経験や実績が豊富でも、スピーチ上手とは限りません。大勢の前でのスピーチに慣れていない人は、

・話が長い
・結論が分かりにくい
・余計な話が多い
・声が聞き取りづらい

といったスピーチをしてしまいがちです。その結果、本当に児童生徒のためになったのか、疑問の残る社会人講話になってしまう恐れがあります。

 

わだかまりが生じる可能性も
児童生徒の保護者ゆえに起こる問題もあります。例えば、講話を行う保護者の子どもが、講話を聴く他の児童生徒から支持を集めているとは限りません。

例:「○○さんのお父さんは、『時間を守るのが大事』だと言っているけど、○○さんは遅刻が多い」

講話を行う保護者の子どもの振舞いによっては、講話内容の信憑性が落ちてしまいます。また、講話中にトラブルがあった際、講話を行った保護者の子どもが批判やからかいの対象になる懸念があります。

 

③来年度以降に断りづらくなる
今回依頼した保護者に再び依頼するかどうかは、非常に気を遣うところです。学年単位で実施した講話の場合、保護者の子どもに弟妹がいるなら、弟妹の学年でも講話をする流れができてしまうことも。

社会人講話を卒業生に依頼する場合

メリット

卒業生に社会人講話を依頼するメリットは、以下の3点です。

①年齢が近いため、身近に感じやすい
②親近感が湧きやすい
③比較的安価で依頼できる

基本的に保護者に依頼する場合と、似たようなメリットを得られます。大きな違いは、児童生徒と歳の近い大人から話を聞けるという点です。年齢の近い大人が社会で活躍していると知れば、児童生徒は社会で働く将来の自分を思い描きやすくなるでしょう。

 

デメリット

卒業生に社会人講話を依頼するデメリットは、以下の3点です。

見つけるのが大変
社会人講話を依頼できそうな卒業生は、なかなか見つかりません。在校生の兄弟から探したり、教師のつてを頼ったりという方法が挙げられますが、確実性は保護者に依頼するよりも下がります。

 

日程調整が難しい
卒業生には、平日に仕事を休んで来校してもらわなければなりません。20代の働き盛り、若い卒業生に依頼するのは日程的に厳しいものがあります。

 

話し上手とは限らない
卒業生のスピーチ力は未知数で、若干の不安は残ります。学校側は、若い卒業生に気取らないスピーチを期待しているかもしれません。

 

ただ、卒業生にとっては、その場にいる教師や保護者に対しても語る必要があるため、学校側の想定より硬い講話になる可能性も。

社会人講話を外部講師に依頼する場合

メリット

外部講師に社会人講話を依頼するメリットは、以下の3点です。

スピーチが上手い
仕事として講師をしているため、スピーチ力は高いです。場慣れしており、興味の持たせ方や話の組み立てに長けた講師が多いため、ある程度安心して任せられます。

 

②気を遣わずに済む
外部講師は学校関係者ではないため、変に気を遣わずに済みます。保護者に依頼すると、意図しない問題が発生しがちです。

 

③「働く大人」のイメージをつかみやすい
外部講師は、児童生徒とはまったく関わりのない「大人」です。児童生徒は保護者や教師以外に大人と関わる機会が少なく、大人へのイメージがポジティブなものとは限りません。キャリア形成のために、生き生きと働く大人を間近で見るのは大事な経験です。

デメリット

外部講師に社会人講話を依頼するデメリットは、以下の3点です。

 

割高になる
外部講師に依頼すると、費用面はどうしても割高になります。保護者や卒業生は、ボランティアの側面から社会人講話を引き受けてくれるケースが多いです。

しかし、外部講師には仕事として依頼するため、金額はかさみます。10万円以下で講師を探すのはかなり困難で、実績のある著名人は100万円を超えることも。

 

講師を探すのが難しい
外部講師を探すのは、費用を考えると非常に難しいです。限られた予算内で講話を依頼しなければならず、選択肢が限定されるのが大きなデメリットです。

 

子ども向けの講話でない可能性も
講話を依頼したものの、内容が難しすぎて児童生徒の実情に合わない、という問題も起こり得ます。大人向けのスピーチをメインにしている講師には、事前に講話内容をよく話し合う必要があります。

まとめ

社会人講話は、依頼する相手によってメリットやデメリットがつきものです。費用面を考えるなら保護者や卒業生、安定した講話内容を求めるなら外部講師に依頼するのがおすすめです。児童生徒のキャリア形成のために優れた人材を確保し、価値ある社会人講話の時間を作り上げましょう。

     

執筆者:Strobolights