キャリア教育コラム

【保存版】本の内容で選ぶアクティブラーニングに関する書籍20選

更新日:2018/05/18

アクティブラーニングとは、学習者である生徒が受動的になってしまう授業を行うのではなく、能動的に学ぶことができるような授業を行う学習方法です。この新しい教育改革の理解を進め、実際の教育現場で活用することができる書籍をご紹介いたします。理論から具体的な実践方法、教科別の実践例まであなたにとって必要な1冊をぜひ見つけてみてください。

 

読書でアクティブラーニングを学ぶ

◆まず初めに読みたい入門書

『アクティブラーニング入門 (アクティブラーニングが授業と生徒を変える)』

小林昭文(産業能率大学出版部、2015/4/25)

 


「アクティブラーニング」がわかる入門書。長年の現場経験に基づいた実践的かつ理論的な内容です。イメージだけでアクティブラーニングをとらえるのではなく、目的やメリットそして具体的な実践方法について理解することができます。著者は、高校教諭として在職中にカウンセリング、コーチング、エンカウンターグループ、メンタリング、アクションラーニングなどを学び、それらを応用して高校物理の授業をアクティブラーニング型授業として開発し、成果を上げた「アクティブラーニングの伝道師」の小林先生による待望の入門書です。

 

『すぐわかる! できる! アクティブ・ラーニング』

西川純(学陽書房、2015/8/5)

 

文部科学省が新学習指導要領で打ち出そうとしているアクティブラーニングをわかりやすく紹介しています。なぜアクティブラーニングなのか?大学入試が激変する新しい教育改革の動きから、アクティブラーニングの定義や授業の基本、そして成績を上げるための方法からこれからの教師に求められる職能まで、これからの新しい教育のあり方がこの1冊でわかります。

 

『アクティブ・ラーニング入門<会話形式でわかる『学び合い』活用術>』

西川純(明治図書出版、2015/8/7)

 

 

アクティブラーニングの4分類とは?主体的・協働的な学びは、つけるべき力を意識することから始まります。大学入試が激変することで、高校教育にも影響があります。そして、高校入試が変われば義務教育も変わります。大学教育改革から義務教育改革へ。授業にはどのような変化が求められるのか。アクティブラーニングの基礎基本と『学び合い』の活用法がわかる入門書です。

 

『アクティブラーニング – 理論と実践』

前林清和、江田英里香、上谷聡子、須釜幸男、田中綾子(デザインエッグ社、2015/4/27)

 


本書は、アクティブラーニングの考え方や心得についてその基本を押さえた上で、教材、アクティビティ、プログラムについて階層的に配置してその技法をわかりやすく解説し、さらにアクティブラーニングを実際に行っていく指導者、リーダーのためのファシリテーションの基本にまで言及しています。

 

◆アクティブラーニングについて知識を深める

『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』

溝上慎一(東信堂、2014/10)

すでに多くの大学で、教授の講義を一方的に「聴く」受動的授業から、学生が「書く・話す・発表する」活動も行うアクティブラーニング型授業への移行を試みています。しかし、その多くは蓄積された知識伝達という教授的視座に今なお縛られています。本書はアクティブラーニングの理論的整理を進めつつ、教授的視座から学習的視座へのパラダイム転換、すなわち学生が知識だけでなく、現代的な技能・態度(能力)をも身につけ、経験を組織化して成長する、まさに学びと成長のためのアクティブラーニングの推進を力説するとともに、そのためのアクティブラーニング型授業の変革・向上を主唱する理論的・実践的な体系書です。

 

 

『「主体的学び」につなげる評価と学習方法―カナダで実践されるICEモデル』

スー・F. ヤング 、ロバート・J. ウィルソン(東信堂、2013/05)

 


今までの日本の教育は教師の教えを自動的に受け入れ模倣する「浅い学び(真似び)」が中心でした。「深い学び」に導くために、学校で教える基礎知識の間のつながりを適切な質問と指導を通じて理解させ、さらに自らの体験に結びつけた知の応用へ発展させる、「主体的学び」のための絶好の指導・実例集です。

 

『21世紀型スキル 学びと評価の新たなかたち』

P.グリフィン、B.マクゴー、E.ケア(北大路書房、2014/4/22)

 

21世紀に求められる新しい教育の目標・体系・評価を世界トップの専門家が検討した必読書です。今世界では生涯に渡る学習や自らの賢さを育て続ける力の育成が求められ、その教育と評価を考える国際プロジェクトが進行しています。本書は、その学習のもととなる創造性・批判的思考・メタ認知・コミュニケーション・コラボレーション・ICTリテラシー等について解説しています。

◆実践に活かしたい実例集

『現場ですぐに使える アクティブラーニング実践』

小林昭文、 鈴木達哉、鈴木映司、アクティブラーニング実践プロジェクト(産業能率大学出版部、2015/8/19)

 

実践者向けの実用書です。特に多方面からの情報収集により実現した「全国の新進気鋭32名の授業レポート」、秀逸の実践的個人研究、振り返りに特化した考察などは類書の追随を許さないものになっています。産業能率大学主催「キャリア教育推進フォーラム」8年間の集大成でもあります。本書から実践を学び、組織的な授業改革が可能な1冊です。

 

 

『ディープ・アクティブラーニング 大学授業を深化させるめに』

松下佳代、京都大学高等教育研究開発推進センター(勁草書房、2015/1/22)

大学教育における「教育から学習への転換」の鍵として、近年アクティブラーニングが注目されています。しかし、重要なのは、学習形態に重点をおく単なるアクティブラーニングではなく、学習の質や内容を問うディープなアクティブラーニングです。ディープ・アクティブラーニングを生じさせるカリキュラム、授業、評価、学習環境のヒントを理論と実践の詳細を紹介しています。

 

『子ども熱中!中学社会「アクティブ・ラーニング」授業モデル』

北村明裕(明治図書出版、2015/6/4)

 

生徒が主体的に考え発言したくなる社会科授業づくりの秘訣が盛りだくさんです。
ディベートやスマートフォンを取り入れた授業から誰もが取り組めるゲーム教材まで。生徒がアクティブに動かずにはいられない授業モデルを分野別に厳選して紹介しています。教師と生徒の具体的なやり取りも会話形式で収録しています。

 

『選択理論でアクティブラーニング―道徳・総合・学活で使える「人間関係づくり」ワークシート&指導案』

伊藤昭彦、小島 淳子(ほんの森出版、2015/9/5)

 

選択理論心理学に基づいた「人間関係づくり」の授業がすぐできる、ワークシートが満載です(ダウンロードサービスもあり)。学習指導案は、実際の授業で何度も練り上げられた配慮に満ちたものです。

 

『中学校理科 9つの視点でアクティブ・ラーニング』

田代直幸、山口晃弘(東洋館出版社、 2015/8/8)

 


中学校理科だからできる、主体性・協働性を育む授業。9つの視点に沿って、豊富な実践例をわかりやすく解説、これからの理科授業デサインをする提案するとともに、これまでの方法にも新たな価値を見いだします。中学校理科の未来の扉を開く鍵が、この一冊に!

◆教育方法について知る・考える

『高校教師のためのアクティブ・ラーニング』

西川純(東洋館出版社、2015/10/9)

 

高校教育が激変する今だからこそチャンス!激変する高校教育、アクティブラーニングの方法論を紹介しています。アクティブラーニングとは何か、どうすれば導入できるのか、それに伴い授業は、生徒は、先生はどう変わるのか――。また概論だけでなく、主要五教科の国語・数学・英語・理科・地歴公民の実践例も掲載しています。

 

 

『授業を磨く』

田村学(東洋館出版社、2015/4/9)

 

文部科学省調査官である著者が、アクティブラーニングを通した授業を目指していく中で、教師はどのようなビジョンをもち、そしてどのように授業を磨いていけばよいかについて、「探究・協同」「21世紀型学力」「イメージ力」「課題設定」「思考ツール」をテーマに具体的に紹介しています。21世紀の教師像、授業スタイルを考えるうえで必読となる一冊です。

 

『アクティブ・ラーニングとは何か』

梶田 叡一(金子書房、2015/8/18)

 

小中学校の教育において、アクティブラーニングをどのようにとらえ、実践していけばよいのか。アクティブラーニングで目指すのは、思考を活性化させ、具体的な課題解決に対して積極的に取り組んでいく対処性(コーピング)の姿勢と力の獲得です。このために必要な、課題意識の喚起のさせ方、多様な発想・アプローチへの目の開かせ方、粘り強い課題取組みの支援、課題解決の結論の検討や再吟味の促しといったさまざまな働きかけ、指導の実際を具体的に提示します。

 

『国語科の「言語活動」を徹底追究する:学び合い、学習集団、アクティブ・ラーニングとしての言語活動』

「読み」の授業研究会(学文社、2015/9/2)

 

「言語活動」の充実が提唱されている中で前面にでてきた「アクティブラーニング」。この二つを、「学び合い」「学習集団」「探究型」の授業として積極的に捉え直し、その具体的な指導方法・指導スキルとそこで身につけさせる国語の力を提示した内容。学習集団・探究型授業の指導ポイントを解説しています。

 

 

『アクティブ・ラーニング対応 わかる! 書ける! 授業改善のための学習指導案 教育実習・研究授業に役立つ』

藤村裕一(ジャムハウス、2015/3/5)

 

著者は文部科学省実証事業の教科アドバイザーなどを務め、授業設計等について助言を行っています。本書をきっかけに、指導案への苦手意識が軽減され、授業が少しずつ改善され、子供たちにも自分にも力が付く好循環が起きることを願った1冊です。

 

『読解力を育てる!小学校国語 定番教材の発問モデル 説明文編 アクティブ・ラーニング型授業づくりのヒント』

井上一郎(明治図書出版、2015/7/9)

 

 

アクティブ・ラーニング型の授業を作る国語発問集の決定版!子どもが自ら学ぶよう仕掛けるには教師の発問力が重要です。そこで本書では子どもが主体的に学ぶ仕掛けを盛り込んだ発問を定番教材毎に丸ごと収録!説明文編は「はたらくじどう車」「自然のかくし絵」他25教材収録。

 

『思考ツール ~関大初等部式 思考力育成法〈実践編〉』

関西大学初等部(さくら社、2013/2/7)

 

2012年に話題を呼んだ『関大初等部式 思考力育成法』の第2弾。見やすい大判、こんな授業でこの思考ツールという具体的な活用法、加えて授業の進め方、評価の観点と、至れり尽くせりの内容です。巻末にはコピーして使える思考ツール12種類を収録。

 

■まとめ

アクティブラーニングを実践

アクティブラーニングとは何かという概念の整理を助ける入門編の書籍から主体的な学びを導くための具体的な教材やツールを紹介しているもの、教科別の内容や実際の授業内容を収録したものまで幅広い内容の書籍を紹介いたしました。必要な1冊を選んでいただき、授業を磨くヒントを見つけてください。これからの授業がどうあるべきか、考える参考になればと思います。

     

執筆者:キャリア教育ラボ編集部