キャリア教育コラム

【保護者向け】女子高生の文理選択時期、理系選択のメリットとは?

更新日:2018/06/14

高校に進学すると誰しもが考えなければならない文理選択。日本の66%の高校では、文系・理系によりコースを分けていたり、さらにはホームクラスを分けたり等クラス編成にも影響を及ぼすものです。またこの選択により、進学する大学、専攻する学問、そして将来の就職・キャリアまでもがある程度限定されてしまいます。このように、将来を見据える上でとても大切な選択を、高校生のタイミングで迫られているのです。では具体的にいつその選択が行われているのか、また、理系選択のメリットについてご紹介します。

1.文理選択の時期について

まず、高校生の文理選択がいつ実施されるかについて紹介します。国立教育政策研究所の調査によると、コース選択を行わない高校や、1年生の夏段階・2年生や3年生に選択させる高校があるものの、多くの高校が1年生の10月〜12月のタイミングで文理コースの選択を実施し、2年生の4月のタイミングでコース分けを行うとのことでした。(図1・2)

 

 

つまり、高校1年生の夏休みまでに文理選択について、ある程度前調査や情報収集を行う必要がありそうですね。

次に、高校生はどのタイミングで最終的に文系・理系を選んだのかを紹介します。河合塾大学入試情報サイト「Kei-Net」の大学生・大学院生モニター262人を対象に行ったアンケートによると、「高校入学前」が28%と最も多く、「高1の2学期」が19%, 「高1の3学期」が18%、「高1の1学期」が12%でした。実際に文理選択が行われる高1の2学期より前に決断した割合は40%と半数近い学生が、早めの決断を行っているという結果でした(図3)。

 

高校3年生の女子に「将来就きたい職業を意識したきっかけ」を聞いた所、割合が高かったのが「小さい頃からの夢・憧れ・好き」(40%)、「自分自身で考えた」(41%)の二つでした。また「その職業を本やテレビ等で知った」(22%)もその次に高い数値でした。

これらより職業について知るきっかけがあること、またそれをやりたいかについて自分で考えることが、将来を考える上で大切だと言えますね。(図4)。

 

また「卒業後の進路を決める上で役立つこと」についての調査では、「『進路を希望する学校や職場を見学すること』を『役立つ』、または『とても役立つ』と考える人」の割合が最も高い結果になりました。やはり進路の現状をしっかり理解することが将来の選択において大事なことだと言えます。(図5)

 

2.大学での理系女子のメリットについて

では、このように進路を悩んだ結果、理系を選択した女子学生が大学進学後にどのようなメリットがあるかということについて紹介します。今回は日本ロレアルの全国の理系女子大生を対象とした意識調査を参考にしています。

まず、理系を選択して良かったかどうかという点では、ほとんどの理系女子学生が満足しているとのことでした。5段階評価のうち、上二つの「満足」「まあ満足」と回答した割合が91.1%と非常に高い結果を得られました。(図6)

 

また「現在行っている研究や専攻している学科」についても83.0%が「満足」「まあ満足」と回答しており、理系進学の道に高い満足度を示していることがわかりました。理系を選択して良かったこととして最も多かったのは「好きなことを追求できる」(63.2%)という回答でした。これに「就きたい職業への就職率の高さ」(46.2%)、「社会の発展や生活を向上させることに貢献できる」(34.9%)が続く結果となりました。

研究と仕事がダイレクトに結びつきやすいこと、また研究の成果が目に見えやすく社会に貢献していると感じやすいことは理系の研究の大きなメリットだと考えることができます。(図7)

 

 

3.まとめ

本記事では、女子高生の文理選択時期、理系選択のメリットについて様々な調査結果を紹介してきました。

これから進路について検討する段階の女子中高生のお子さんをお持ちの親御さんにとって、理系女子というものに少なからずプラスのイメージを抱く部分もあったのではないかと思います。

しかしながら、まだまだ理系女子から社会人になったロールモデルの数は少なく、女子中高生で文理選択前、または進路選択前に、このような人に相談できる機会というのは限られているのが現状です。ぜひお子さんと一緒に進路について考えてみる機会を作ってみてください。

マイナビでは、女子中高生を対象としたイベント「Drive for the Future 2018」を7月に東京・大阪で開催予定です。本イベントでは、大手自動車業界に進み、活躍する理系出身の女性社会人の方を多数ゲストとしてお招きしており、話を聞くだけではなく、気になった人に実際に質問・相談できる機会を用意しております。ぜひ、文理選択の一助となれば幸いです。

 

 

参考文献
・ 株式会社マイナビ:「2019年卒マイナビ大学生就職意識調査」
・ 河合塾:「2013年度第2回 Kei-Net 特派員(大学1年生)アンケート」
・ 国立教育政策研究所:「中学校・高等学校における理系進路選択に関する研究」

     

執筆者:キャリア教育ラボ編集部